お店やネットでレインウェアを選ぶときに、みなさんはどこをチェックしていますか?
これまでは賢いレインウェア選びについての基本的なチェックポイントである、素材について(第1回・第2回・第3回)・タイプについて(第4回)と説明してきました。
今回は、細かいけど実は着心地や使い勝手に大きく影響してくる細かなパーツ類のチェックポイントついて。どんな違いがあり、どんな点に注意して選べばよいのかをご紹介します。
軽さと収納性を確認しよう
一般的には、作業や本格アウトドアなどに使用するレインウェアはより丈夫な生地を使用するため重量が増していきます。一方、日常用やランニングなどスポーツに特化したモデルは軽量・コンパクトになる傾向にあります。軽いに越したことはありませんが、軽すぎるレインウェアは生地が破れやすかったり、ポケットなどが省略されていたり、高価であったりするため、どんな場合でもそれがベストとは限りません。軽ければいいということではなく、用途に照らし合わせて選ぶことが重要です。
収納性については、コンパクトであればバッグや自転車に携帯しやすくなるので、その点もチェックしておくといいでしょう。ポンチョやレインコートはパンツが省略されている分、よりコンパクトに収納できる可能性が高まります。ただ上下セットでも高機能素材でコンパクトに収納可能なモデルもありますので、自分の想定している用途とお財布に合わせて選んでみるとよいでしょう。
フードはフィット感と防水性、そして視界の広さが大切
レインウェアのフードは、いざ雨が降ったときに顔周りが濡れないかどうか、自転車運転で安全に頭が動かせるかどうかなど、快適さや安全性にとってとても重要なパーツ。フードのつばやアゴ部分が浅いと視界は多少広くなり、重量も軽くなるかもしれませんが、防水性という観点からはマイナスです。日常での使用を念頭に入れるのであれば、多少の重量増よりも、しっかりとつばが伸びている方を優先するとよいでしょう。
フードのつばを伸ばすためににレインキャップやレインバイザーなどを合わせる方法も有効です。カジメイクでは、フードのつばにレインバイザーを装着できるモデルが多数用意されおり、視界と防水性を最大限に高められるようになっています。
さらにフードを被ったまま首が自由に動かせる「回転式フード」を備えたモデルは、視界と防水性に加えて快適さもアップしています。(回転式フードモデル「レインシェイカー」の商品ページへ)
また、様々なあたまの形に合わせられるように調節が可能かどうか、さらにその調節も細かく可能かどうかは、フードのフィット感や頭の動かしやすさという点で非常に重要です。例えばフードの後頭部や左右にサイズ調節できるドローコードが付いていたり、頭頂部にフードの角度を調節すベルクロがついていたりしますので、それによって調節がしやすいかどうか、調節の結果自分の頭にフィットするかどうか、確認できればチェックしてみてください。
裾・袖口はピッタリとフィットする?
レインウェアは生地の防水性がどれだけ優れていても、実際には顔・袖口など、あらゆるところから雨は侵入しようとしてきます。そうした部分にもしっかりと配慮されているかどうかは、レインウェア全体の善し悪しにかかっています。
袖口をしっかりと密閉して浸水を防げるようになっているかどうかをチェックします。例えばベルクロ(マジックテープ)がついているモデルは、手首の太さに合わせて締めることができる一方、締めすぎると手首が窮屈になります。一方袖口が伸縮ゴムになっている場合は、着ているときの手首のフィット感はよいものの、どうしても締め具合は弱くなりがちで、防水性は低くなってしまいます。このためベルクロと伸縮ゴムが両方備わっているモデルは、双方のメリットを活かすことができ、フィット感と防水性の両面において最適です。
また、自転車運転を想定したモデルでは、ハンドルを握ったときに手が濡れにくいように、手甲カバーがついているモデルがあります。
ポケットの位置・数・大きさは十分?
レインウェアのポケットは大きくて多ければ良いにこしたことはないのですが、重量や価格との兼ね合いで何でもかんでもたくさん付いているわけではありません。日常用のレインジャケットであればほとんどの場合、左右ポケットは付いていると思いますが、ポンチョタイプや特殊なタイプのレインウェアの場合はしっかりとポケットが必要な場所に付いているかどうか確認しましょう。
またポケットの入り口も、きちんと防水されているか、出し入れはしやすいかどうかをチェックするといいでしょう。
動きの激しい活動に使う人は動きやすさやベンチレーション(換気孔)もチェック
いくら透湿性の優れた生地を採用していても、日本のジメジメした梅雨時など、どうしても内側の湿気を排出しきれないケースは多々あります。そうしたときにレインウェアに「ベンチレーション」と呼ばれる換気孔が設けられていると、通気性は格段に上がり、かなり快適に過ごすことができます。
また生地にストレッチ機能が備わっている、あるいは動きを想定した立体裁断になっているモデルは、大きく腕を振ったり自転車を運転するときでも突っ張りが少なく、動きやすくて快適です。
まとめ
レインウェアには雨の中でも快適に過ごすための細かな工夫がたくさん詰まっています。軽い雨でちょっと使う程度であればどれを着ても大した差は感じられないかもしれませんが、過酷であればあるほど、長時間使えば使うほど、細かなパーツのちょっとした違いが、大きな着心地、満足度の差になって現れてきます。レインウェアを選ぶときには、ぜひここで紹介した部分にもしっかりとチェックしてみると、自分に合ったレインウェアに出会える確率はぐんとアップしますよ!